A catalyst for realizing a world where all have basic human rights and can make a living doing what they love

COVID-19 Ideathon 2021

COVID-19 Ideathon 2021

stethoscope-and-ballpen-on-prescription.jpg

COVID-19 Ideathon 2021

開催レポート

 
 

背景

 東京医科歯科大学医学部附属病院が、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れを開始した2020年の4月から、1年が経とうとしています。この1年間、本学のコロナ対応がテレビやネットニュース等で取り上げられる度に、どこか誇らしく思う反面、現場で何も貢献できていない自分自身の”学生”という身分に歯がゆさを感じることもしばしばありました。

 「学生として自分たちに何かできることはないだろうか」-- そんな思いから企画したのが、この『COVID-19 Ideathon 2021』でした。本イベントは、COVID-19を中心テーマとし、学生たちがチームに分かれて①現状を調べ理解し、②現状の課題・問題点を抽出し、③それへの解決策を考案して発表し合う、というものです。学生の春休み期間を考慮し、また一変した2020年度を締めくくるという意味も込めて、本オンラインイベントを2020年度末に約1か月間にわたり開催しました。

概要

参加チームのメンバーとテーマはそれぞれ以下の通りでした。

  1. 「コロナ禍の病院経営」:M5 松下 賢・M1 秋山 桃花・M1 佐野 歩里

  2. 「COVID-19の診断」     :M1 江口 万智・M1 篠田 和

  3. 「COVID-19の治療」     :M1 島田 晃太朗・M1 松下 智紀・他1名

  4. 「COVID-19の予防」     :M2 沓水 里穂・M1 井上 美穂・M1 水野 由麻

 また日時については以下のように Day 1 と Day 2 の二日間に分け、1 ヶ月間にわたり開催いたしました。

  • Ideathon Day 1:2月27日(土)10:00-11:00「概要説明・テーマ設定」

  • Ideathon Day 2:3月27日(土)9:00-12:00「成果発表・ゲストからの講評」

 Day 1 にてイベント概要を説明し、その後1ヶ月かけて各チームはプレゼンを準備し、Day 2 にてその成果発表を行いました。具体的には、各チームはそれぞれのテーマに沿って、ネットベースのリサーチ、また本学の先生方へのインタビューを行いながら、課題の深掘り・解決策の考案を行いました。そして Ideathon Day 2 には、以下のお二方を特別審査員としてお招きし、各プレゼンへのフィードバック及び優秀賞の選出をしていただきました。

  • 高田 和生 先生

    東京医科歯科大学 統合国際機構教授 統合教育機構副機構長

  • 金澤 祐子 様   

    株式会社アルム チームプラットフォーム部 部長

 優秀賞は「COVID-19の診断」チームが受賞しましたが、どのチームも1ヶ月間よく調べ、考え抜いてきたことが伝わってくるようなプレゼンテーションでした。以下、各チームの発表内容の要約を記載いたします。

「コロナ禍の病院経営」チームは、コロナ禍における受診患者数の低下を解消すべく、オンライン診療の本格導入、病院からの十分な情報提供を解決策として提示しました。

 「COVID-19の診断」チームは、感染状況を正しく把握するためのより良い検査体制の拡充を目的に据え、検査時間の短縮・検査感度の向上を手段として発案しました。特にドローンを用いて検体輸送にかかる時間を短縮するというアイデアはとても印象的でした。

 「COVID-19の治療」チームは、日本のいわゆるドラッグラグに着目し、今回のパンデミックのような緊急事態下においては、特例として承認プロセスを早めるよう提案しました。

 「COVID-19の予防」チームは、ワクチンの接種希望率を上げるため、分かりやすく正しい情報共有等を可能とすべく、現状の接触確認アプリ”COCOA”のアップデートを考案しました。

 各チームの発表内容自体もさることながら、それらに対する審査員の方々からの鋭い質問やコメントはどれも、新たな視点・さらなる知見を与えてくださり、参加者全員にとって大変勉強になるものだったかと思います。

先生方へのインタビューを終えて

 現場の生の声をお聞かせいただくため、総勢17名の本学の先生方にzoomインタビューのお時間をいただきました。

 先生方へのインタビューの中で見えてきたのは、”チーム医科歯科”として一丸となってコロナ対策にあたってきたこの1年間の様子でした。これまでの対策、今なお残る現場での課題感等以外にも、「ピンチこそチャンス」、「学生の皆さんは、もっと医科歯科を誇りに思っていい」、「コロナに関しては、私たち医療従事者だけでなく、社会全体で頑張っているという認識を持つことが大事」といった素敵なメッセージもいただき、大変貴重な機会となりました。

今後について

 せっかく出てきたアイデアを、本イベントだけで終わりにするのはもったいないと考えております。次回は2021年の夏に、世界4つの地域(アジア・アメリカ・アフリカ・ヨーロッパ)で共同のアイデアソンを開催しようと企画しています。その後秋頃開催予定のハッカソンにて、いよいよアイデアのプロトタイプ作成へと進む計画です。

 最後になりますが、田中学長、大川理事、高田先生、学生のインタビューに快く応じてくださった本学の先生方をはじめとする、本イベントの企画・運営に関わってくださった全ての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

Ideathon 運営: 小林 崇希
サポート: 石井・清野