ポリオ根絶の進捗と課題:アフガニスタンで追加資金が必要な分野
ポリオ根絶の進捗と課題:アフガニスタンで追加資金が必要な分野
Dr. Wrishmeen Sabawoon MD, PhD、
シニアアドバイザー
要約
2024年7月18日から9月5日にかけて、Dr. Wrishmeen Sabawoon(リエゾンのシニア・アドバイザー)はアフガニスタンにおいて現地視察を行いました。視察を通じて、ポリオ根絶活動を見学し、現地のニーズを現地団体とともに特定しました。現地ではポリオ根絶のための国および地域の緊急オペレーションセンターのマネージャー、Global Polio Eradication Initiative(GPEI)の関係者との協議、2024年8月10日から14日に行われたポリオケース対応キャンペーンとカンダハールおよびヘルマンド州での衛生努力のフィールドモニタリングが含まれました。
一次・二次医療サービスおよび栄養支援の必要性
現在、南部アフガニスタンでプログラムスタッフの各所へのアクセスが拡大し、家々を訪問しての予防接種キャンペーンの許可を得る進展は見られましたが、2024年9月8日時点で18件のポリオ症例が記録されており、2023年のわずか6件と比べると増加しています。この許可は依然として脆弱であり、特定の宗教指導者や地域のリーダーからの反対により、2024年9月にはモスクからモスクへのキャンペーンに逆戻りしてしまい、これは大きな後退を意味します。要因としては、不十分な医療と栄養サービス、さらには男性の予防接種者が男性の保護者が不在の場合に経口ポリオワクチンを投与できないという文化的障壁が挙げられます。家々を訪問するキャンペーンを再開するためには、これらの課題に対処し、スタッフ選考プロセスの改善、マイクロプランニングの最適化、そして包括的な一次および二次医療サービスと栄養支援を提供することが不可欠です。これらの取り組みには、地域のリーダー、宗教指導者、地方当局との信頼を築き、協力を得ることが重要です。
衛生とインフラ
現地では劣悪な衛生環境が確認されました。これは野生ポリオウイルスの伝播を根絶することに対し大きな障害となっています。ポリオの流行地域で清潔な飲料水と下水システムへのアクセスを改善することは、ウイルス伝播サイクルを断ち切る、重要な役割を果たす可能性があります。
ワクチンとコールドチェーンの不足
ワクチン供給やコールドチェーン機器の不足が続いており、定期予防接種とポリオ根絶プログラムの効率性と持続可能性が損なわれ、円滑な運営の継続が脅かされています。
ラボキャパシティ
視察では、新たに設立されたポリオ検査室の能力強化の必要性も確認されました。この検査室の能力を強化するためには国際的なパートナーからの技術的および財政的支援を求めることが推奨されています。
コミュニティエンゲージメントとジェンダーに特化した戦略
地域の宗教指導者やコミュニティリーダーとの関与を強化することは、ワクチンへの躊躇を克服するために重要です。また、特定の地域では女性の予防接種チームを拡大することが、すべての子供に予防接種を行き渡らせるために重要です。